光回線 マンションで速度を上げる7つの順番|回線を変える前に

速度・トラブル

※本記事にはプロモーションが含まれます

マンションで光回線の速度を上げるなら、回線を変える前に、部屋の中を「有線 → ルーター → 置き場所 → メッシュ → PC のポート」の順に強くしていくのが近道です。上から1つずつ進めて、1つ変えるごとに同じ場所で測り直します。契約の見直しは、部屋の中を整えても有線の実測が足りないと数字で分かってからで間に合います。

測る・有線・ルーター・置き場所・メッシュ・PCのポートと、部屋の中で速さを引き出す順番を、運営者の事業所の実測とあわせて見せています。

【音声つき・約3分・字幕あり】マンションの部屋で光回線の速度を上げる7段の順番

1. 速度を上げる順番は7段|回線の見直しは最後

速度を上げる順番は7段です。①〜⑥は部屋の中ででき、契約に手を付ける⑦は最後に回します。

光回線の速さは、光コンセントから端末までのうち、いちばん細い区間で決まります。「最大1Gbps」は規格上の最大値(理論値)で、その速さがそのまま出るわけではありません。私の事業所でも、1ギガ回線の実測は、1ギガのルーターの無線で 620〜720Mbps でした。部屋の中に細い区間が残っていれば、そこで頭打ちになります。だから、安くて効く部屋の中から順に太くしていきます。

部屋の中から順に、7段で強くする 部屋の中から順に、7段で強くする ①〜⑥は部屋の中。⑦だけが契約の見直し ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ 測る 有線 ルーター 置き場所 メッシュ PC側 回線 部屋の中で強くする 契約

費用がかかるのは主に③⑤⑥⑦。1段上がるたびに測り直し、足りた段で止めればよい

順番部屋のどこで・何をするか費用の目安
① 測るルーターの横(有線)と、いちばん使う席(Wi-Fi)の2か所で記録0円
② 有線にする机・テレビ台・ゲーム機など、動かさない機器をルーターと LAN ケーブルでつなぐCat6A なら1本 1,000〜2,000円
③ ルーターを替えるWi-Fi 6 以上・IPoE 対応の機種に事業者のレンタル(無料の例あり)か購入
④ 置き場所光コンセント横の床から、部屋の中央寄りの高い棚へ長めの LAN ケーブル代
⑤ メッシュ・中継機電波が弱い奥の部屋の側に子機を1台機器代(機種で変わる)
⑥ PC のポート10ギガ契約のとき、大きなファイルを扱う PC だけ2.5ギガにUSB アダプター 3,000〜5,000円
⑦ 回線を見直すIPoE の事業者・10ギガ・戸建てタイプ月額が変わる
費用は目安。ルーターとメッシュは機種で大きく変わる

先に1つだけ確かめておくことがあります。建物が VDSL 方式(共用部から部屋までが電話線)なら、部屋の中をどれだけ整えても上限は 100Mbps(理論値)です。①で有線でも 100Mbps を超えないなら、ケーブルの印字が古い「CAT5」でないことを確かめたうえで、②〜⑥より先に7章を読んでください。

2. ① 測る|部屋の2か所で、1つ変えるたびに

最初に、部屋の2か所でいまの速さを記録します。強くした効果は、同じ場所・同じ時間帯で比べないと分かりません。

  1. ルーターの横で、PC を LAN ケーブルでつないで測る。下り・上り・Ping を見る。これが部屋に届いている素の実力
  2. いちばん使う席で、いつものスマホか PC を Wi-Fi で測る。ソファ・机・ベッドなど、実際に困っている場所で
  3. 使う時間帯に3回測り、真ん中の値をメモする。②以降で手を1つ打つたびに、同じ2か所で測り直す

私が測るときは、Fast.com などのブラウザで測れる速度テストを使い、まず ONU の近くの有線で10回測って平均を出します。そのあと無線に切り替えて、部屋の隅々まで測ります。有線と Wi-Fi の差が大きい部屋ほど、②〜⑤で伸びる余地があります。反対に、有線でも夜だけ大きく落ちるなら、原因は部屋の外(接続の経路や建物の配線)かもしれません。その場合はマンションで光回線が遅い原因の見分け方で先に切り分けると、手を打つ場所を間違えずに済みます。

3. ② 有線にする|動かさない機器はケーブルで

速さが欲しい機器は、Wi-Fi をやめて LAN ケーブルでつなぐのがいちばん確実です。Wi-Fi は親機から離れるほど、壁やドアを越えるほど弱まりますが、ケーブルにはそれがありません。

  1. つなぐ機器を決める: 在宅ワークの PC、ゲーム機、動画を見るテレビなど、置き場所が決まっている機器から
  2. ルーターと同じ部屋なら床や壁ぎわに沿わせる。別の部屋なら、ドアの下を通せる薄いケーブルか、4章のようにルーターをその部屋へ寄せる
  3. LAN 配線方式の建物は、壁の LAN 端子からルーターへつなぎ、ルーターから先を同じように有線にする

手持ちのケーブルの被覆に「CAT5」とだけ印字されていたら、1ギガの回線でも 100Mbps で頭打ちになるので替えます。ほかの規格は、使う速さに合わせます。2.5ギガまでなら Cat5e・Cat6 でも規格上つながり(バッファローの説明)、10ギガで使うなら Cat6A 以上です。カテゴリの見分け方や、ドアの下を通す平たいケーブルの注意点はマンションの LAN ケーブルの選び方にまとめています。

光コンセントと ONU の間の細い光コード(光ファイバー)は、強く曲げたり自分で延ばしたりしないでください。延ばしたいときは事業者に相談し、動かすのは ONU から先の LAN ケーブルの側にします。避けたい扱い方はマンションの光回線の LAN ケーブルと光コードの扱い方に図でまとめています。

4. ③ ルーターを替える|Wi-Fi 6 以上・IPoE 対応

ルーターは「Wi-Fi 6 以上」「IPoE(IPv4 over IPv6)対応」「WAN ポートが契約の速さ以上」の3つを満たすものにします。何年も前に受け取ったままのルーターなら、まずここが伸びしろです。

Wi-Fi の規格使える電波マンションの部屋での意味
Wi-Fi 62.4GHz・5GHz家族のスマホ・テレビ・ゲーム機を同時につないでも余裕が出やすい(大容量)
Wi-Fi 6E6 に 6GHz 帯を追加日本では 5925〜6425MHz が屋内で使える。混み合う 2.4GHz・5GHz とは別の帯域
Wi-Fi 72.4GHz・5GHz・6GHz6GHz 帯で 320MHz 幅を使え、複数の帯域を同時に使うマルチリンクがある
Wi-Fi Alliance と総務省の資料から。新しい規格の速さは、端末も対応しているときだけ出る

ルーターを Wi-Fi 7 にしても、Wi-Fi 5 のスマホは Wi-Fi 5 の速さのままです。買い替えの前に、家でいちばん使う端末がどの規格かを設定画面か仕様表で見ておきましょう。

電波の選び方も部屋の位置で変わります。ルーターと同じ部屋や隣の部屋なら 5GHz(対応していれば 6GHz)を、壁やドアをいくつも越える奥の部屋なら 2.4GHz のほうがつながりやすいことがあります。5GHz は速い代わりに障害物を回り込みにくく、2.4GHz は広く届く代わりに電子レンジなどの家電と干渉しやすいからです(ASUS の説明)。

IPoE は、夜に混みやすい従来の PPPoE の経路を通らない接続方式です。プロバイダが IPoE に対応していても、ルーターが非対応なら使えません。事業者ごとの方式名と必要な機器、いまの接続がどちらかの確かめ方はマンションの光回線の IPv6(IPoE)で詳しく説明しています。

プロバイダへの聞き方: 「いまの接続は PPPoE と IPoE のどちらですか。IPoE にするのに費用とルーターの交換は要りますか。レンタルのルーターは Wi-Fi 6 以上ですか。」

WAN ポート(ONU とつなぐ口)は、1ギガの契約なら 1G で足ります。10ギガに変えるなら、WAN ポートが 1G のルーターでは入口で1ギガに絞られるので、10G の WAN ポートの機種にします。

5. ④⑤ 置き場所とメッシュ|奥の部屋まで届かせる

光コンセントは動かせませんが、ルーターは LAN ケーブルで部屋の中央寄りへ動かせます。それでも奥の部屋が弱ければ、子機を1台足します。

ルーターは中央寄りへ。奥の部屋は子機で ルーターは中央寄りへ。奥の部屋は子機で 光コンセントは動かせない。動かすのはルーター 手前の部屋 LDK 奥の部屋 ONU 光コンセント 親機 中央寄り・高い棚 子機 奥の部屋の側 LAN ケーブル 無線(置けるなら有線に) 光コンセントは電話ジャックの近くに付くことが多い

ONU は光コードの届く範囲に置き、ルーターを LAN ケーブルで中央へ。間取りは説明のための例

  1. ONU は光コードが届く範囲(多くは光コンセントの近く)に置き、長めの LAN ケーブルでルーターを廊下や LDK の中央寄りへ移す
  2. 床置きや棚の奥をやめて、高い位置へ。テレビ台の裏や収納の中に押し込まない
  3. ①の2か所で測り直す。奥の部屋がまだ弱ければ、メッシュの子機(または中継機)を奥の部屋の側に置く
  4. 子機の近くまで LAN ケーブルを通せるなら、子機を有線でつなぐ(有線メッシュ)。親機と子機の間の無線の区間がなくなる

私は、事業所の末端を15台の無線機器のメッシュで組み、速度を測りながら子機の位置を決めて、1ギガの環境で 300〜800Mbps を出しています。別の事業所では、有線 LAN とメッシュを組み合わせた有線メッシュ(10台構成)で、10ギガの帯域を活かしたまま 850Mbps。置き場所によっては子機まで有線にして、無線機器の本来の性能を引き出しています。部屋数の少ないマンションでも考え方は同じで、子機の手前まで LAN ケーブルを1本通せるかどうかが分かれ目です。

光コンセントの位置が選べない理由と、遠い部屋へ届かせる置き方3つは、マンションの光回線の引き込み場所と Wi-Fi の置き方で図にしています。

6. ⑥ PC のポートを2.5ギガに|速くするのは必要な1台だけ

PC の LAN ポートを2.5ギガにする意味があるのは、10ギガ(1ギガを超える契約)で、大きなファイルを有線で送る PC だけです。1ギガの契約なら、PC の 1GbE ポートで受け切れます。

PC のポート向く契約部屋でのつなぎ方
1GbE1ギガそのまま。ケーブルは Cat5e 以上(買い足すなら Cat6 以上)
2.5GbE10ギガで、PC を1〜2台速くしたいノート PC は USB Type-C の2.5ギガ LAN アダプター(3,000〜5,000円)。ルーター側にも 2.5G か 10G の LAN ポートが要る
10GbE10ギガで、NAS などに直結1台あたりの費用が上がる(私の事業所では1台4万円かかるため見送った)
ポートの速さも理論値。実際の速さはこれより下がる

私の事業所で、全部を10ギガにしなかった理由

私は、従業員50人規模・機器約250台の事業所で、光回線を1ギガから10ギガに切り替えました。実測は、1ギガのときがルーターの無線で 620〜720Mbps、10ギガにして幹線で最大 5.8Gbps(平均は 3.3〜4.2Gbps)。10ギガの理論値には届きません。目的は、回線の帯域を増やすことと、無線LANの減衰による速度の落ち込みを少しでも底上げすることでした。

10ギガの幹線を Fast.com で測った画面。4.2Gbps(測定中)
10ギガの幹線 4.2Gbps(測定中)
パソコンを有線でつないで Fast.com で測った画面。2.9Gbps
パソコン(有線)2.9Gbps
1ギガのルーターの無線で Fast.com で測った画面。720Mbps
1ギガのルーターの無線 720Mbps
1ギガの無線で Fast.com で測った画面。620Mbps
1ギガの無線 620Mbps

私の事業所で Fast.com を使って測った画面(運営者が撮影)。10ギガの幹線は最大5.8Gbps、平均は3.3〜4.2Gbpsでした

必要な速さの所にだけお金をかける 必要な速さの所にだけお金をかける 私の事業所(機器約250台)の組み方 幹線 10ギガ ルーター・ハブを10ギガに/CAT6A 300m 中間 2.5ギガ ハブ/PC は USB の2.5ギガアダプター 末端 無線メッシュ15台 1ギガの環境で 300〜800Mbps この組み方 約25万円 全部10ギガ 100万円超 「全部10ギガ」は私の見込み

太い所から細い所へ、必要な速さに合わせて段を下げる。部屋の中でも同じ考え方が使える

入れ替えたのは、CAT6A の LAN ケーブル 300m と、10ギガ対応のルーター・スイッチングハブ。材料費だけで15万円です。パソコンの LAN ポートを10ギガにすると1台4万円かかるので、各パソコンには USB Type-C 接続の2.5ギガ LAN アダプターを付け、途中に2.5ギガのハブを置きました(ハブだけで5万円)。総額は約25万円。すべてを10ギガでそろえると、おそらく100万円を超えます。だから10ギガ・2.5ギガ・1ギガを、必要な速さに合わせて配置しています。

マンションの部屋に置き換えるなら、太くするのは速さが要る PC への1本だけで、ほかの端末は Wi-Fi 6 のルーターに任せる、という分け方です。私の経歴は運営者情報にまとめています。

7. ⑦ それでも足りなければ回線|IPoE・10ギガ・戸建てタイプ

①〜⑥をやっても有線の実測が足りないときに、初めて回線の契約を見直します。どれを選ぶかは、①で測った有線の数字で決まります。

①の有線の数字回線の手変わること
夜だけ大きく落ちる。いまのプロバイダが IPoE 非対応か有料IPoE が標準の光コラボへ事業者変更(光コラボ同士なら工事なし)夜に混む PPPoE の経路を避けられる
IPoE にしても夜だけ大きく落ちる自室に戸建てタイプを引く(建物の共用装置の混雑)共用装置を通らなくなる。月1,000〜1,500円増と管理組合の承認
昼も夜も 100Mbps 未満で頭打ち(VDSL 方式)自室に戸建てタイプを引く/建物の光配線化上限 100Mbps(理論値)から抜けられる。戸建てタイプは月1,000〜1,500円増と管理組合の承認
光配線方式で、1ギガの上限近くまで出ているのに足りない10ギガ(建物の集合装置が対応している場合だけ)上限が上がる。私の事業所の実測は最大 5.8Gbps(平均 3.3〜4.2Gbps)。ドコモ光の例で月 +1,980円
月額は各社公式サイトの税込額。条件は変わることがあるので、申込画面で確かめる

10ギガは、ONU が別物になるので1ギガからの変更でも工事が入り、ルーター・ケーブル・PC のポートまでそろえて初めて速さが出ます。建物で使えるかと機器のそろえ方は、マンションの10ギガが使える条件で確かめられます。VDSL の部屋から抜け出す道は、マンションで戸建てタイプを引く方法に条件と申請の通し方をまとめています。

8. マンションで光回線の速度を上げる Q&A

1ギガの契約で、10G 対応のルーターにすると速くなる?

回線の上限(1Gbps・理論値)は変わりません。速くなるのは、古いルーターの Wi-Fi が足を引っ張っていた分です。10G のポートは、10ギガに変えたときに生きます。

中継機とメッシュ、マンションの部屋ならどっち?

弱いのが奥の1部屋だけなら、どちらでもかまいません。子機を奥の部屋の側に置く形は同じです。無線でつなぐと中継の先で速さが落ちることがあるので、子機の近くまで LAN ケーブルを通せるなら有線でつなぎ、その区間の落ち込みをなくします。

光コンセントを部屋の真ん中に移せない?

位置は建物の配管で決まっていて、入居者が選ぶものではありません。ONU は光コードの届く範囲に置き、ルーターを LAN ケーブルで中央へ移すのが現実的です。

Wi-Fi 6E や Wi-Fi 7 にすれば、スマホも速くなる?

スマホが同じ規格に対応していればです。非対応のスマホは、ルーターを替えても元の規格の速さでつながります。

ルーターはレンタルと購入、どちらがいい?

契約している IPoE の方式に合わせてあるのは、プロバイダが貸し出すルーターです。購入するなら、契約している IPoE の方式(v6プラス・transix など)にその機種が対応しているかを、メーカーの対応表で確かめてから選びます。

全部やっても夜だけ遅いのは?

部屋の外が原因です。IPoE になっていなければ切り替え、IPoE でも夜だけ落ちるなら建物の共用装置の混雑で、7章の戸建てタイプが候補になります。

書いた人: 電気工事とネットワーク工事の現場で施工に携わり、事業所の回線を10ギガにして、速度を測りながらメッシュを組んできた私が書きました。

参考文献

コメント

タイトルとURLをコピーしました